「いいよ、帰りなよ。遅くなるかもしれないし…」
「だったらなおさらだろ。女ひとりで暗い中帰らせられるか」
本当にどうしちゃったの?
いつもならそんなこと言わずに帰るじゃない。
そもそも、一緒に帰ろうとも言い出さないじゃない。
だって学校の中でのあたしたちは他人なんだから。
友達でも恋人でもないただのクラスメイト。
しずはクラスのヒーローで、あたしは地味な女子なんだよ。
「そんなに待ちたいなら、待っとけば?」
「おぅ」
わざとしずがムカつくような言い方をしたのに、彼は嫌な顔ひとつすることなく頷いた。


