それは突然のことだった。 寒波がやってきただとかで、いつも暖かいあたしたちの町はとても寒かった。 天気予報が知らせてくれた最高気温はまさかの5度。 「げ、」 思わずテレビを睨みつけてしまう。 今日は終業式だっていうのに、なんでこんなときに寒くなるかな。 後1日待ってくれたら冬休みに突入するのに。 ピンポーン 玄関のチャイムが鳴る。 「へーい」 間抜けな返事をしてテレビを切ると、あたしは鞄を持って外に出た。