alternativeⅡ

その剣腕もさる事ながら、蒼真は群れる事を嫌う。

それは孤独を愛するなどという生易しいものではなく、最早同族嫌悪にも匹敵するものだった。

この戦時下において、彼は人類の一致団結などという思想には全く興味を示さない。

AOKも人類も。

己と同じ完全抗体保有者でさえも、蒼真にとっては敵に過ぎない。

きっとこのAOK大戦が終戦を迎えても、彼の中では戦いは終わらないのであろう。

真っ直ぐに、脇目も振らず、蒼真は廊下を歩く。

それは、彼自身の生き様にどこか似ていた。