alternativeⅡ

ガタン!と。

突然机が蹴倒される音。

会議室にいた全ての者が、その方向に注目する。

…机を蹴倒したのは、一人の若き青年将校だった。

沖田 蒼真少尉。

軍服の腰に10式近接戦闘用軍刀とサバイバルナイフを下げている男だ。

「AOKが臆病…だから何だ?」

立ち上がり、蒼真は壇上の科学者に詰め寄る。

「沖田少尉、AOKに手出ししない事で彼らが戦意をおさめてくれるのならば、こんな素晴らしい解決策はないと思わないかね?」

何とか説き伏せようとする科学者を。

「くだらないな」

蒼真は一蹴した。

「あんたはAOKに身内を殺された事はあるか?」

凍りつくような冷徹な表情で、蒼真は科学者に問いかけた。