alternativeⅡ

アレクセイの援護もあり、リトルクリーク基地に襲来したAOKの小規模群は何とか駆逐された。

それでも、基地に甚大な被害が出た事は間違いない。

多くの死傷者が出て、施設内は救護に追われる。

そんな中。

「はぁー…はぁー…はぁー…はぁー…」

大きく肩で息をしながら、紅に染まった姿でルシファーは屍の中に立ち尽くす。

軍刀の切っ先からは、まだAOKの血液が滴り落ちている。

何とも凄惨且つ生々しい光景。

今しがたまで殺戮を繰り返していた男の姿が、そこにはあった。

それでも尚殺し足りないのか。

「もう終わりかぁァァ?」

隈で縁取られた眼を剥き、ルシファーは周囲を見渡す。

「僕を殺せる奴はいないのかぁっ!」