alternativeⅡ

飛び散る鮮血。

宙を舞う肉片。

ルシファーの走り去った後には、血溜まりと屍の山が築かれる。

「どうしたどうしたぁ!」

無闇に刃を振り回しながら叫ぶその姿は、まるで無差別殺人の犯人のようにも見える。

「僕を殺せる奴はいないのかぁっ!?お前らAOKは生粋の捕食者なんだろぉっ!?」

嬉々として殺戮を楽しむルシファーは、AOKと大差ないようにさえ感じられる。

「殺しを楽しんでやがる…イカレてるぜ…」

ルシファーの戦いぶりを見ていたNavy SEALsの隊員が呟く。

しかし。

「そう思うか?」

その隣でアレクセイが言った。

「私には、彼が泣いているように見えるがな…」

返り血を浴びて、顔面を血に染めるルシファー。

頬を伝うその返り血は、まるで彼が流す血の涙のようにも見えた…。