alternativeⅡ

着替えを済ませ、ルシファーがニヤリと笑う。

「さぁ、鉄格子を開けなよ…僕に助けて欲しいんだろ…?」

「……」

兵士は躊躇する。

本当にこの扉を開けてもいいのか?

自分は今、とてつもない過ちを犯しているのではないのか…?

「急がなくていいのかい…?」

別にどちらでも構わないような素振りで、ルシファーが気だるげに言う。

「暴れてるんだろ?AOK…さて…何人生き残ってるかねぇ…」

「っ……」

最早手段を選んでいる余裕はないのだ。

鍵を差し込み、鉄格子の施錠を外す兵士。

途端に!

「ぐはっ!」

ルシファーは兵士ごと鉄扉を勢いよく蹴り飛ばした!

その勢いでコンクリートの床に転倒した兵士を足蹴にし、尚も何度も踏みつける!

「ひゃはははははっ!よくもまぁプライドの欠片もなく僕に助けを求めに来たもんだよ!」

執拗なまでの暴行を加えながら、ルシファーは兵士に唾を吐きかけた。

「いいよ?憐れな一般兵士どもを、このルシファー様が助けてやろうじゃないか。お前らは、普段『失敗作』と罵っていた奴に命を救われるんだ…くくっ、かっこ悪いったらありゃしないねぇ…!」