alternativeⅡ

鉄格子の向こうから、嘲笑するように兵士を見るルシファー。

これまで自分の事を『失敗作』と虐げてきた者が、助けてくれと頭を下げに来ているのだ。

彼にしてみれば、こんなに可笑しい事はない。

同時に彼の視線は、『僕に物を頼むのに、その口の利き方はないだろう?』と告げていた。

「ル、ルシファー少佐…」

兵士は頭を垂れる。

「我々一般兵士の力では、AOKには太刀打ちできないのです…どうか…どうか少佐のお力を…」

「……」

薄笑いを浮かべたまま、小指で耳の穴をほじりながら、ルシファーは興味なさげに呟く。

「僕の10式近接戦闘用軍刀と90式歩兵強化装備は…?」

「こ、ここに準備しています…」

ルシファーの機嫌をとるように装備品を差し出す兵士。

ルシファーはそれをしゃくり取ると、鉄格子の中でゆっくりと装備を身につけた。