alternativeⅡ

リトルクリーク基地に配備されている兵士は約1500人。

襲撃してきたAOKは僅か数十。

しかし、AOKにまともにダメージを与えられるのは現在アレクセイしかいない。

孤軍奮闘するものの、やはり一人では限度がある。

アレクセイがAOK一体を倒す間に、別のAOKが次々と一般兵士を殺害していく。

如何に屈強なNavy SEALsの隊員達といえど、通常兵器ではAOKに致命傷を与える事などできなかった。

「この基地には完全抗体保有者はいないのか!私一人では手に余る!」

激しく呼吸しながら叫ぶアレクセイ。

「いるにはいるが…」

一人の兵士がそこまで言って言葉を濁した。

『彼』を戦場に送り出していいのか。

『彼』は最早、人間よりもAOKに近い存在になりつつある。

仮にAOKの群れを殲滅したとしても、今度は人類の敵に回ってしまうのではないか。

そんな懸念が兵士にはあった。

だが、アレクセイはその事を知らない。

「いるなら早く連れて来てくれ!私一人では被害が拡大する一方だぞ!」

「し、しかし…」

尚も躊躇する兵士に。

「お前達皆殺しにされたいのかっ!」

アレクセイは怒号を上げた!