alternativeⅡ

突然内線が鳴る。

仮眠室で休んでいたジム・スティルマン航空宇宙局局長は、目を擦りながら体を起こす。

「…なんだ、どうした」

深夜1時。

流石にこの歳で夜中に叩き起こされるのは堪える。

まずは濃いブラックコーヒーでも飲みたい気分だと考えながら、ジムは受話器を取り。

「………馬鹿者!何を見張っていた!」

すぐに受話器を叩きつけるように置いて、仮眠室を走り出た。

上着を羽織るのももどかしく、廊下を走る。

無理もない。

10式近接戦闘用軍刀のもととなった宇宙鉱石が飛来したのが、まだ数ヶ月前の事だ。

まさか年内に二つも隕石が飛来するとは思わない。

ジム自身、予想すらしていなかった事なのだから。

だが、それは言い訳に過ぎない。

前回は運よく宇宙鉱石だっただけだ。

今回飛来したのが、AOKの満載した隕石だとしたら…。

水際で阻止できなければ、地球は大惨事に見舞われる…!