alternativeⅡ

そして。

「……!」

妃の隣に立つ人の気配。

それに気づき、彼女は目を見張る。

蒼真が妃の隣に立ち、真っ直ぐに前を見据えていた。

「お、沖田少尉…あの…」

何事か告げようとする妃に。

「最早語るべき事はない筈だ」

視線すら交錯させる事なく、蒼真は呟いた。

それは妃にだけではない。

アレクセイやシオンに対しても告げられた言葉。

「もう終わりにしよう。この戦いを以って、完全抗体だの一般人だの下らない差別がなくなるように…元凶たるAOKをこの惑星から追い出す」

同じ人間同士で、区別や差別などもううんざりだ。

それは蒼真の決意の言葉だった。

決意は他の隊員達にも伝わる。

アレクセイ、シオン、妃の三人は強く頷いた。