午前4時。

「ぅきゅっ!こんな所で寝てる!」

何やら可愛らしい声が、寝ている妃の耳元で聞こえた。

「妃さん!妃さん!いつまで寝てるんですかっ!」

同時に乱暴に揺さぶられる背中。

「う~ん…」

妃は目を閉じたまま手を払いのける。

「あと五分…」

「ぅきゅ~~っっ!!」

何を言ってるんですかとばかりに、更に揺さぶる動きが大きくなった。

「今日は最終作戦なんですよっ?何があと五分ですかっ!」

声の主、シオンが目を渦巻き状態にして慌てながらまくし立てる。

妃がようやく目を覚ましたのは、本人の宣言通りの五分後であった。