alternativeⅡ

「それは違うだろう」

アレクセイが妃の言葉を否定した。

「全ての事情を聞いてこそ、真実というものは判断できる。一部の情報だけでは、君に罪があるのかどうかさえ疑わしい…そして私は君らの身を預かる『アレクセイ分隊』の分隊長を任されている。隊員の情報は全て知っておく必要がある」

「……」

そこまで言われても、まだ語ろうとしない妃。

「彼女は」

見るに見かねて、グローレンが語り始めた。

「AOKとの戦闘で最前線に送られる完全抗体保有者の身を案じていたのだ…分泌物では死なない反面、彼らは激戦区にばかり派遣される。一般兵士に比べて、完全抗体保有者は戦死率が格段に高いからな…」

妃の胸で、ゴールドの指輪が揺れる。

この指輪を妃に送った親友もまた、完全抗体保有者だった。

時雨・テスタロッサ・タチバナ少佐。

国連軍極東支部横須賀基地で、『時雨分隊』を鍛え上げた教官でもあった。