alternativeⅡ

「あうっ、あのっ、そのっ」

敷地外に置き去りにして戻っていくアレクセイに、シオンはアタフタする。

「わっ、私も今日からこの基地でお世話になるんですけど~…」

「何?」

振り返るアレクセイ。

よく見るとシオンの手にした鞄から、軍刀が覗いている。

あれは間違いなく10式近接戦闘用軍刀だ。

「君も完全抗体保有者か?」

「はい、シオン・ハルトマンといいます…」

ポケットの中から青紙を出してアレクセイに見せるシオン。

「何と…」

目を丸くして、アレクセイはシオンと青紙を見比べた。

「ならば君があのGSG-9の天才新入隊員…そして、『セントエルモの死神』の異名をとる少女か」

「よ、よろしくお願いしますっ…」

まじまじと見られる事に緊張しながら、シオンはアレクセイに頭を下げた。