alternativeⅡ

気を取り直して。

正門を潜り、シオンは施設内へと入っていく。

…。

……。

………。

5分後。

「ぅきゅ~~っ?」

彼女は一人の男性士官に首根っこを掴まれて、施設の外へと連れ出される。

「この看板が見えないのか?」

シオンの襟を掴んだまま、正門の所にある警告を指差す黒目の日系アメリカ人。

「ここは軍事基地だ。関係者以外立ち入り禁止。お嬢ちゃんのような子供が入っていい場所じゃない」

眉間に皺を寄せながら、アレクセイ・ラゼスタはシオンに説いて聞かせた。