部屋に戻れば海に睨まれた。 「何?」 「今日だけだからな」 きっと紫苑に抱き締められたことを言っているのだろう。 「当たり前でしょ。海、ありがとう。助けに来てくれて」 「どういたしまして」 海はいつもの笑顔で言った。 「っあ、それ」 美羽の首を指していった。 その指先にあるのは、まちがいなく海がくれた指輪。 「……それ、」 「これのおかげで勇気でたよ。ありがとう」