「ごめん。あたしと春の作戦だったんだ」 マグカップをくるくる回しながら少し申しなさそうに謝ってきた由里。 「だってさー、龍一君ぜーんぜん素直じゃないんだもん!何年越しの片想いよ!」 「10年くらい?」 「なんでそうゆう所だけ素直なのー」 由里は昔から相談相手だった。 このどうしようもない気持ちを理解してくれるのは由里だけだったから。 だから俺は由里に頭が上がらない。