闇の種族の長はこう話す。

--争いの種はそちらが捲いたのではないか

光の種族の長はこう返す。

--争いの水を捲いたのはそちらではないか

お互いに納得のいかない思いはあった。だがこれ以上の犠牲を出したくないという思いの方が強かった。

互いの種族はお互いの罪を認め、無条件での休戦をする事に決めた。

だが休戦をした所で時が経てば、また小さな小競り合いが起き、それが臨界点を超えた処で争いが起きるのは目に見えていた。

なぜならお互いが欲していたものを何も手に入れていないからだ。

互いの長は考えた。

二つの次元の間にもう一つの世界を創生出来ないだろうかと。

闇の次元の闇と光の次元の光を使い、違う次元を作り出す事になった。そして互いの次元にある広大な地形を利用し、新しい次元を構築する。

光は成長をもたらし、闇は休息をもたらす。

そしてこの土地には様々な生命が息吹出した。

苦しくも互いの種族が求めていた物は、手を取り合えば創生出来るものだったのだ。

そんな自分達が作り出した世界を眺めていた二つの種族の長は、同じ提案をした。

--互いの溝は決して埋まるものではない

--それならこの世界を聖域とし、互いに干渉しない様にするべきだ

--この地を不可侵とし、同じ過ちを犯さないようにしよう

--互いがこの次元を観察し、互いの行動を監視しよう

こうして長らく起きていた紛争は完全に決着を迎える事になった。

光の種族。それは神族の事をさす。

闇の種族。それは魔族の事をさす。

こうして新しい世界が創生された。