小包を持つ手が震える。あたしの心も震えだした。瀬川くん…なのかな?本当に?
でもこれ…あたしへなのかな?誰宛とか誰からとか書いてないし…あたしへなのか瀬川くんからなのかも確信できないよ。
あたしはバレンタインの時と同じように、辺りをキョロキョロと見渡し、誰もいないのを確認して小包を開いた。
「友チョコなら手渡しで渡してくれればよかったのに。な、浅井」
と同時に、頭の上から言葉が降ってきた。あたしは大慌てで顔をあげた。
「……あ…」
「エナメルに置いてあったあのチョコ、浅井でしょ?」
あたしの目の前には、部活動着の姿の瀬川くんが立っていた。
「あ…いや…その…」
「やっぱり当たりだ。なんで直接渡してくれなかったの?…健真には渡したのに」
「あ…いや、たっちーはその…」
「なんてなっ。そんな困った顔するなよ」

