2人の姿もだけど、オレンジ色を見ると…胸が苦しくなる。何も伝えられない自分が情けなくなる。
ため息をつき、今度こそ玄関へ足を進めた。そして自分の靴箱を開いた。
「…………」
靴箱を見て、いじめかと思った。だけどいじめにしては律儀だと思い、いじめじゃないことを確信した。
『お返し。チョコありがとう』
真っ白な紙にまっすぐに書かれた達筆な字が目に入った。そして、紙の下には小さな小包。
まさかたっちーから?ううん、たっちーからは昼貰ったもん。じゃあ誰が?
……もしかして、ね?
胸が高鳴る。だけど、あたしがチョコをあげたのは、…瀬川くんしかいない(たっちーにはあげたことになってるだけだもん)。
もしかして…もしかしなくても…瀬川くんからかな?

