オレンジ色の校舎






「はぁ…嘘だったのかよ。マジ、焦ったから」



もしかしてこれって…麻衣がわざと送ったんじゃないかな?あたしが瀬川くんと話せるようにって。



「何も無くて…よかった」



ヘナヘナとあたしの隣に座り込んだ瀬川くん。あ…今が瀬川くんに伝える…チャンスだ、よね?



「せ…瀬川くん」



名前を呼んでメロンパンを置き、瀬川くんの前に立った。



「ん?どうした、浅井」



「あのさ…ちょっと聞いてくれるかな?」



頷いた瀬川くんを確認して、あたしはすぅっと息を吸い込んだ。



「……あたしはもう一馬くんとは付き合ってない、です」



「え…」



「あたしの勘違いのせいで、一馬くんを巻き込んじゃって…フラれちゃった」



言え…言うんだ。



「あのね、せ…瀬川くんも困らせて、いっぱい迷惑もかけちゃったんだけど…あたしは…今も昔も…瀬川くんしか見てないみたい」



右手を出して頭を下げた。



「ご…ごめんなさいっ。フラれても未練がましくて、でもずっと好きでしたっ。どうか、あ…あたしをフってください!」