オレンジ色の校舎






ヒラヒラと手を振る瀬川くん。違うのに…あたしはもう一馬くんとは…



「ちゃんと言わなきゃ、わかんねーよ?」



ビクッとして振り返ると、一馬くんがいた。



「あえて俺からは言わないから。頑張れよ」



去っていく一馬くん。友達なりの優しさなのかな?



「遥ちゃん、ちゃんと約束は果たすなり!」



「ラ、ラジャ」



「遥、あたしももう帰るわ。浅井くんはあたし達に任せて、瀬川くんとこに…って瀬川くんは?」



「…部活に行っちゃった。だから終わるのを待っとく」



「あんた、成長したわね」



麻衣と麻衣に引っ張られるたっちーと楓ちゃんにバイバイをして、購買に向かった。



「メロンパンを1つください!」



購買で、大きなメロンパンを購入した。軽いお昼ご飯ってことで。そして玄関に向かった。



3年生はほとんどがもう帰っている。羽を伸ばせる時期だから、思う存分青春してるのかな。



下駄箱の近くに座り、鞄を置いてメロンパンを出した。誰も来ないということを前提にね。