「お前は俺の彼女じゃないけど、1つだけ…お願い聞いてくんない?」
「……な、に?」
一馬くんはあたしから体を離して左手の人差し指を頬に当てた。
「昨日の平手、すげぇ痛かったんだよな。だからココにキス、してくんない?」
「……!!キ、キス!?」
「お。その反応じゃ朱希ともまだだな?」
恥ずかしくて慌てて俯いた。そりゃ瀬川くんとは、おでこ合わせしかしたことないけど。
「お願い、聞いてくんねーの?」
「…他にないの?」
「じゃあ、口にチューする?」
「い、いえ、ほっぺにさせていただきますっ」
とは言ったものの、高3になってもキス初心者であるあたしが、キスをできるとでも?
「……早く」
でも一馬くんを傷つけちゃったのはあたし。ずっと曖昧にしてたのも…あたし。
償いじゃないけど、何かしなきゃ気持ちは晴れない。
「……目、閉じてくれる?」
「はいよ」

