あたしが…瀬川くんしか見ていない?
「教室でも、病室でも、さっきだって…アイツしか見ていない」
「見間違いだよ。あたしは一馬くんしか…」
「遥は同情して俺を見てる。可哀想だから傍にいたいって思ってんだよ」
「違う。あたしは一馬くんを傍で支えていきたくて…」
「だからそれが…友達なんだよ」
……友達?この感情は友達なの?あたしにとって一馬くんは友達?
「遥の言う傍にいて支えるっていうのは、恋人としての意味じゃない。大切な友達としてなんだよ」
友達じゃないよ。一馬くんは友達じゃな…
「お前が隣にいたいのは、俺じゃない。……今も昔も、朱希だけなんだよ」
一粒、涙が溢れ落ちた。
言葉が出なかった。一馬くんの真剣な瞳に嘘はなかった。
「本当は気づいてんだろ?」
「き、気づいてない…」
「じゃあ、その涙は何だよ」
いくら拭っても、倍にして溢れる涙。やだやだ…止まってよぉ。

