オレンジ色の校舎






「でも、浅井がカズと付き合うとはな。浅井同士じゃんっ!」



空気が読めないのか、それとも気を利かせたのかたっちーが加わりドキドキは消え去った。



「じゃーお祝いでもするかっ?」



「ごめん、パス。俺、遥と2人きりになりたいから」



「ヒュー!旦那サマはお熱いね」



「明日登校日だよな?たっちー、覚えとけよ?」



そして、あたしと一馬くんは4人とさよならをした。別れ際に、楓ちゃんが何か言いかけたけど、そのまま帰ってしまった。



「なぁ、散歩しねーか?」



「いいねっ。ダイエットにもなりそう!」



「…今さら効果あんのかよ」



「失礼なっ!」



慣れない道を歩くのはそわそわしちゃう。未来に何が起こるかわからないから。



「前、中学の塾ん時に一度、お前とぶつかったことあるって言ったよな?」



「えっ、そうだっけ?」



「記憶にねーだろ?」



「……残念なことに」