オレンジ色の校舎






「おじさんと遊びたーいっ」



「たっちー、あんたはガキか」



「でも、これからどうする?」



うーんと悩んでいると、一馬くんがあたしの隣に来た。



「あ、報告。俺、遥と付き合うことになったから」



何の前触れもなく、交際宣言をした一馬くん。口がパクパクして言葉にならない。



「い…いつから!?」



「き、昨日」



「嘘っ!?」



そして騒ぎ立てるみんなの視線はある人へ向けられた。ある人は、あたしを見る。



「おめでとう」



そう言って、言葉のプレゼントをしてくれた。



「あ…りが…と。瀬川くん」



瀬川くんはあたしの前に来て、切なく笑った。



「……もう、揺れんなよ」



「え?」



「お前が幸せになること、願ってるよ」



そう言って、頭を撫でてくれた。友達になってから一度も撫でられることはなかったのに。



よりによって、何で今…