「どうしたんだ?そんなに力が抜けた声出して」
「誰のせいだと思ってんだよ」
一馬くんがギロリと睨みつけて、やっと空気を読めた一馬くんのお父さん。
「もしや…会社から連絡が?」
「あぁ。会社で倒れて早退するって言ったみたいだな?なのに、この状況は何だよ」
「あ、れは一時的なモンでな。すぐ元気になったんだ!ほーら、筋肉モリモリだぞぉ?」
「あほ親父。どうせ過労だろ?ちゃんと休めよ」
不器っちょだけど、ちゃんとお父さんのこと考えてるんだね。
「ところで、そこのお嬢さんは?一馬の彼女か?」
か…かのっ!?
「……彼女じゃねーよ。俺たちと同じ名字の浅井遥。んで、俺の好きな奴」
か、一馬くん!?
「一馬の口からそんな言葉が聞けるとはな。相当惚れ込んでるみたいだな?」
「……うるせ」

