オレンジ色の校舎






「メールっていうのをそういうモンだろ?文章だけで本当の気持ちはわかんないんだよ」



そうだね、メールじゃ相手の気持ちは完璧には読み取れない。



「瀬川くんはどうなの?」



「鈴木とはまだ会ってないけど、橋本にはリトライするんで!宣言された」



「リ、リトライ宣言っ?」



なんだか楓ちゃんらしいネーミングセンス。



「部活で会話はしてたけど、アイツ案外面白いなっ」



楓ちゃんのことをアイツって呼ぶところが、何かが変わった証拠だと知らせる。



瀬川くんも…進んでるんだ。またあたしの知らない瀬川くんがいるんだ。



───────…



「浅井っ!」



帰る支度をしていると名前を呼ばれた。しかし呼ばれたのは一馬くんだった。



須田ちゃんの元へ行く一馬くん。何かあったのかな?少しだけ…胸騒ぎがした。



少ししてから、一馬くんが戻ってきた。だが…浮かない表情をしていて、一馬くんに駆け寄った。