オレンジ色の校舎






「席、替わるのは反則だぞ!もし替わったら、この席替えはナシになるからな」



須田ちゃんの鋭い指摘が入った。それはダメだ…クラスメートが楽しい気持ちでした席替えだから。



「はい、わかったならさっさと決まった席に着く!」



ヒヤヒヤしながら自分の机と椅子を移動させる。



「まさか…だったな」



「うん。今まで隣になること…なかったもんね」



瀬川くんと席替えで隣になったのは今回が初めて。予想もしてなかったから…変に緊張する。



「よろしくな」



瀬川くんの言葉に頷いた。実を言うと、隣になれて嬉しかった。恋愛感情抜きで、ね。



「カズとはどう?」



「冬休みに何度かメールしたよ」



瀬川くんの時とは違い、一馬くんとは不思議なくらいに自然にメールができている。



この自然さが瀬川くんの時もできていたらよかったのにな。



「でも、一馬くんって全く絵文字を使わないから、笑顔なのか怒ってるのかわからなくて」