オレンジ色の校舎






「……少しだけ、ね」



瀬川くんとは友達として接することになったんだし、一馬くんのことを見るようになってるし。



「いよいよ瀬川くんを卒業?」



「あはは…そうかも」



卒業…になるのかな。今まで瀬川くんにしか目がいかなかったもんね。



「……それ、本当に?」



さっきまで笑っていた楓ちゃんの表情が真剣になった。



「さっきは冗談でお引っ越しとか聞いちゃったけど…本当に浅井くんに?」



「う…うん。だって瀬川くんとはもう友達だから」



友達、だもん。



「そっかぁ。だったらあたし、もう一度アタック頑張ろうかな?」



「え……」



「2人が付き合っている時は影ながら応援してた。だけど、別れちゃった今は…あたしも頑張っていいよね?」



そうだ。楓ちゃんは…瀬川くんが好きなんだよ。