オレンジ色の校舎






「瀬川くん、助言ありがとうね。そう言われると…やっぱり嬉しいな」



瀬川くんからの助言が嬉しいとは思ってないけど、一馬くんの気持ちを考えると…心が動いた。



「せ…瀬川くん」



「……ん?」



「瀬川くんもね、鈴木さんのことをもっと考えてみたらいいと思うよ!」



ショートカットが似合う鈴木さんを思い出した。後輩らしいあどけなさがあって…可愛かったもん。



「そ、だな。鈴木のこと…な」



「あ!あと楓ちゃんのことも。一応ライバルだったんだ♪」



「ライバル?」



「うんっ。実はね、恋の…」



あ。これは今の瀬川くんには言っていいのかな?もう過去のことだし…やめておこうかな。



「あ、な…なんでもないっ。仲良しを競うライバル友達的な!」



「面白いライバルだな」



よ、よかった。深く問い詰められなくて。