「とりあえず、このまま列に並んどくか?」
「そ、そうだね」
イコール、瀬川くんと2人きりになるということ。早くみんなの元に帰りたいけど…仕方ないね。
「あっ、浅井」
「は、はいっ?」
「……ん。ここ掴んでて」
瀬川くんに肘の部分を掴むように言われた。へ?何で?
「へ…変な意味じゃなくて、またはぐれたりしたら…な?」
「わ、かった。洋服が伸びないようにするっ」
そしてあたしは、おずおずと瀬川くんの上着を掴んでいた。たったそれだけなのにドキドキする。
これが恋人同士のままだったら、手を繋いだり腕を組んだりしてたのかな?
……いや、どの関係にしてもあたし達には恥ずかしくて、これくらいしか出来ないかも。
列が少しずつ進んでいく。しかし麻衣達の姿はまだ見えない。
「あのさ、浅井。………か?」
「えっ?何て?」
「……カズのこと好きになったか?」

