「ふっ。そうよね、あんたの頭ん中には瀬川くんだけ。いや、遥全体を瀬川菌が占めてる感じ?」
「せ…瀬川菌って何!?」
フラれて悲しいはずなのに、麻衣といると笑えてきた。残っていたオレンジを飲み干す。
「遥、瀬川くんは遥のことを嫌いになったんじゃないと思うよ」
「……う、ん」
「瀬川くんなりに何か考えてるんじゃない?」
何を…考えているんだろう?あたしには何も思い当たらない。でも…気になる。
「しかーし、だからって探るようなことはしない方がいいよ。瀬川くんのことが気になるのはわかるけど、瀬川くんのことを知り尽くすことは違うと思うよ」
麻衣が真剣な表情をしてあたしを見つめる。
「……麻衣」
「ん?」
「オレンジ、おかわりある?」

