「……嘘だろ」
「やったぁっ」
瀬川くんは悔しそうにあたしを見る。そう、靴飛ばしの結果はあたしの勝利だった。
「結構本気だったのに」
ちょっぴり拗ねながら、自分の靴を履く瀬川くん。そんな彼にドキッとするあたし。
ねぇ瀬川くん、勝ったのに嬉しくないのは何でだと思う?
卑怯な考えだけど、あたしが勝ったら別れないで…とか条件付けとけばよかったとか思っちゃうよ。
「浅井」
靴を履き終わった直後、瀬川くんから呼ばれた。
「俺達は別れるけど、俺は距離を置いた時みたいにお前を避けたりしないから」
「えっ?」
「だって、友達だろ?」
────────友達。
「付き合う前は友達だったんだ。だから…また友達、な?」
無理だよ。瀬川くんを友達として見れるわけないじゃん。

