オレンジ色の校舎






一馬くんは優しく包み込んでくれた。まるで、体全体から告白されてるみたいだった。



小さな街灯が視界に入る。あたしの心のように、ユラユラ揺れている。



「か、ずまくん」



「……お前の答えはわかってる」



「本当に…ごめんね」



「わかってるから、もう少しこのままでいさせて」



一馬くんが少しだけ震えていた気がした。あたしはそっと一馬くんの背中に手を回す。


心の整理をしているのかな?あたしは何とも言えない心境になり、そのままずっと続く道を見つめていた。



「………!」



一瞬、自分の目を疑った。でも、それを確信したと同時に動けなくなった。



ずっと続く道の方に…人影が見えた。間違いなくあたしの大好きな彼氏である…



──────…瀬川くんだった。