オレンジ色の校舎






「それからはわからなかった。高校に入学してもお前と会うことはなかったから。だけど、3年で初めてお前とクラスメートになってお前が浅井ってことを知った」



「でも、あの時は普通だったよ?あたしを知ってる素振りは…」



「半信半疑だったから、初対面を装ってた。だけど…朱希の話を聞いてから…あのコって確信した」



「……あたし、そんなに詳しく話したっけ?」



「塾時代に盗み聞きしてたから」



「ス、ストーカー?」



「好きだったからに決まってんじゃん」



あたしの目を見て言う一馬くん。やだ…どうしよう、心臓がかなりバクバク鳴ってる。



瀬川くんじゃないのに。



「朱希と別れてたことを知って、今度こそアタックチャンス到来!って思ってたけど、アタック出来なかった」



「臆病者だったから?」



「ちげーよ。お前があまりにも朱希しか見てなかったから」



そ、そんな風に一馬くんの目に映ってたの!?