一馬くんに肉まんを見せびらかしてペロリと食べ終わった。
「女のクセに食うな早いな」
「そりゃ、一馬くんを気にすることもないからねっ」
「…ほーお。で、お前帰んの?」
「うん。もう暗くなるし…それに誰かに襲われたりしたら…」
「襲う奴なんて誰もいないと思うけど?」
「一馬くんのバカ!」
勢いよくカバンを持って立ち上がった…が、
「おい、待てよっ」
そう言って、一馬くんがいそいそと荷物をまとめ始めた。
「…な、に?」
「帰るんだよ」
「じゃあ、あたし待つ必要ないじゃんっ。何で待た…」
「送るっつってんだよ。少し暗いし1人で帰らせたら、朱希も心配だろ?だから仕方なく、だよ」
「い、いいっ。1人で帰れるっ」
一馬くんとはダメだ。瀬川くんがありもしない変なヤキモチを妬いてくれるのは嬉しいんだけどね。
それでも、一馬くんといたら瀬川くんを裏切っちゃいそうなんだ。

