「それに、あたしの名前も…呼んでくれたもん」
右側に瀬川くんの背中の体温を感じる。ピクリともしない瀬川くんに少し不安を感じるものの、この温かさに安らげるあたしがいた。
「………浅井のあほ」
「へっ?な…なんでっ?」
瀬川くんが言葉を発したかと思えば…。あたしはただ、正直な気持ちを伝えただけなのに。
「いや、浅井はバカだよ」
「ひどっ!なんでそんなこと…」
「だって、あんなこと言ってくれるとか…俺の方が嬉しいって」
タオルを取り、顔だけをあたしに向けた瀬川くん。
「ねぇ、ギャル化粧はもう落としちゃったの?」
「あのな、あんなのいつまでもしとくかっての」
「えー。瀬川くんのギャル姿を近くで見れると思って、デジカメも持ってきたのにっ」
「残念でしたー」
瀬川くんが笑った。

