走り出したのはいいけど、け…剣道着ヤバイって!剣道着の走りにくさは、きっと着た人にしかわからないだろう。
「遥ーもっと速く走りなさーい」
いや、麻衣からの声援は嬉しいけど、これじゃあ無理だって。
「フレーフレー、あっさっいーっ!」
たっちー、応援団じゃないんだからその応援は…ヤメテよ。目立っちゃうからさ。
「浅井、負けるな!」
多くの声援の中、やっぱりあの人の声だけは特別で。どんな状況でも…気づいちゃうんだ。
あたしは瀬川くんの方は見れなかったけど、小さく頷いてスピードを上げて走り出した。
「……つ、次どうぞっ」
次の走者にバトルだけを渡したつもりが、間違えて竹刀も渡してしまった。
「あーっ!」
でも、気づいた時にはもう遅かった。一種の笑いとなり、会場は盛り上がったのだった。

