オレンジ色の校舎






「お互いがお互いのことを考え過ぎてたんだな」



あたしが瀬川くんのことを考えていたように、瀬川くんもあたしのことを考えていてくれた。



…そう解釈していいのかな?



そして、嬉しさで胸がいっぱいになっていたあたしはあることに気づいた。



「あ、あのさ…瀬川くん」



「ん?」



「は、恥ずかしいから、そ…そろそろ離してほしいかな…なんて」



そう、あたしはずっと瀬川くんに肩を引き寄せられたままだ。



「あ、わりっ」



公園の灯りで照らされていた2つの影が一瞬にして離れた。



ちょっぴり寂しいけど、あたしの胸のドキドキはほんの少しだけおさまった。



「浅井、こ…これからは俺の彼女としてよろしくなっ」



こうやって間近で話していて気づいたけど、瀬川くんって照れると目を合わせてくれないんだ。



「あ…あたしこそよろしくねっ」



もちろんあたしも見れるわけがなくて。でも、2人で顔を真っ赤にしながら笑い合った。