「……ごめんな」
瀬川くんが呟いた。謝られた理由がわからないあたし。
「……俺、ずっと浅井が好きだったんだ」
「…う、うん」
「だけど…浅井と一緒にいても、浅井を笑顔にさせてやれなくて…俺が苦しめているみたいで…だからフッたんだ」
瀬川くんがあたしをフッた理由が…あたしのため？
瀬川くんに好きな人が出来たんじゃなくて？あたしのことに飽きたんじゃなくて？
瀬川くんの言葉を聞いて、再び涙腺が壊れだした。
「……あ、たしだって…瀬川くんを苦しめてるんじゃないかってずっと思ってた。別れてからも、あたしと付き合ってたとか耳に入れたくないだろうって…」
傍にいても距離があって、話したいけど距離があって。
「……本当は、誰よりも近くで瀬川くんの笑顔が見たかった…」
彼女なのに上手に話せなくて、彼女なのに瀬川くんを笑顔に出来なくて。
「…浅井も俺と同じ気持ちだったんだ？」
「う…うん。そうみたい」
