オレンジ色の校舎






「浅井、どうすれば…お前に好きになってもらえんの?」



─────え?



ポタッ。



2人の線香花火が同時に地面に落ちた。小さな火があたし達への光が消えてしまった。



「あ…せ、ん香花火終わっちゃったね。あたし…あ…新しいの持って…」



ぐい。



「線香花火はいらない。今の質問に答えて」



線香花火を持ってこようとして立ち上がった瞬間、瀬川くんに腕を掴まれた。



「え…あた…あたしはその…コじゃないから…その…」



「もー…浅井、鈍感すぎるっ」



「え?えぇ?」



混乱しているあたしに、1つため息を溢した瀬川くん。そして、



「今の全部浅井のことなの!意味わかる?俺は浅井のことが…あ…浅井のこ、とが…」



口ごもって顔を赤くしながら瀬川くんの口から言葉が溢れた。



「────…中学の時からずっと好きだった」