オレンジ色の校舎






「お待たせー!」



タイミング良く、ラブリーからみんなが出てきた。



「さーて帰るかっ」



「あたしはたっちーと同じ方向だからたっちーと帰るしかないか」



「永納から誘ってくれるなんて、俺嬉し…」



「余計なことは言わない」



たっちーと麻衣のやり取りも普通なら笑えるけど…今は笑えない。



「俺はこっち方面だから1人か。じゃーまた…」



「待って、瀬川くんっ」



すると、あたしの隣にいた楓ちゃんが瀬川くんを呼び止めた。



「あたしも同じ方面なんだけど、よかったら一緒に帰らない?」



「おぉ、いいよ」



楓ちゃんはあっという間に女のコの表情になった。あたしの胸が痛む。



「いいのかよ、遥」



と、一馬くんが心配そうに声を掛けてきて、あたしはぎこちなく頷いた。