オレンジ色の校舎






「っしゃー、英語終わった!」



ガッツポーズをしながら喜ぶ瀬川くん。あたしも終わっちゃった。



「うわっ、朱希ずりぃぞっ。俺なんか課題、全然進んでないし!」



「健真は永納とイチャついてるからだよ」



「瀬川くん、あたし達がイチャついているように見えた?」



麻衣の鋭い目が光る。……確かに今のたっちーを見ると、イチャイチャした様子は見えない。



たっちーは笑っているが、かなりボロボロだ。きっと、麻衣から課題でない問題集をスパルタで教わったからだろう。



「俺の…大事な夏休みが…」



「うるさいわね。今日はこれくらいにしておくから、その変な顔戻して」



「マジ!?やったー!」



「で、帰る準備をすること」



「は!?ラブハン食べたいん…」



「家に帰って、山のような課題をした方がたっちーのためだと思うけど、みんなはどう?」



たっちー以外の一同は、賛成という眼差しを込めて拍手をした。