オレンジ色の校舎






う…わわわ。さっきまで一馬くんだったのに、イキナリ瀬川くんになっちゃったよぉ。



「大丈夫?浅井」



「あ、うん。はいっ」



「かなりぎこちないけど?」



「そ…そんなことは…ないどす。は…始めよっか」



うわ。自分から始めよう、とか何言っちゃってんのあたし。



「はははっ。イキナリどすって何だよっ。浅井じゃないし」



「へ?あたしそんなことい…言った?」



「言ったよ。ったく変な浅井。ほら始めようぜ!」



緊張で自分が間違えたことにすら気づかなかったあたしだけど、瀬川くんと英語の勉強を開始した。



「イキナリ…いい?」



「あ…どぞ」



「あのさ、ここなんだけど…」



そこには苦手な問題なのか、△マークが付いていた。



「ここは過去のことで、過去分詞がくることになって…」



そして、その苦手問題をあたしなりに一生懸命解説した。