オレンジ色の校舎






あ…し、しまった。あたしは背中に冷や汗を流し始めた。



「あの…それは」



「ラブリーに来たことはあるよ。まぁ最初は、健真と永納もいたんだけどな」



「えっ?最初?」



「あぁ。健真が忘れ物して、俺と浅井は出されたラブハンを食べる羽目になったんだ。美味かったけどな!」



あたしを見てだったよな?、と笑う瀬川くん。あたしはコクコク頷いた。



「うわぁ遥ちゃんズルいぞー!」



すると、楓ちゃんから冗談混じりの言葉が飛んできた。もちろん…考えなくても意味はわかる。



「何?橋本そんなにラブハン食いたかったの?今食ってんのに?」



ただし、瀬川くんだけは別の意味で捉えたみたい。瀬川くんは不思議そうに楓ちゃんを見た。



さっきの楓ちゃんの言葉の意味は『2人でラブリーにいた』ことをズルいと言っていたのだ。