オレンジ色の校舎






「ん、美味ーい!」



ラブハンを頬張りながら、幸せそうに笑う瀬川くんを見ると、胸がいっぱいになる。



「なぁ、遥のラブハン…俺のよりデカくね?」



「数学を頑張ったご褒美だぁ」



「いただきます」



自分から話をふってきたくせに、もうラブハンを口にしている一馬くん。あたしも食べよ。



「はわぁ…おいひー!」



「ちょ…遥ってば顔、顔」



「遥ちゃん可愛いよっ」



麻衣にラブハンを食べられた幸せを嫌がられ、楓ちゃんはクスクス笑う。



「美味そうに食うなぁ、浅井は」



幸せそうに笑う瀬川くん。だけどね瀬川くん、お互い様だと思うんだけどなぁ?



「そういえば、前もこんな顔してたな?あん時はほとんど顔、強張ってたけどな」



「そ、それは緊張しちゃって…」



「ねぇ、前って何ー?遥ちゃんと朱希くん、2人でラブリーに来たことあるの?」



楓ちゃんが不思議そうに尋ねた。