オレンジ色の校舎






「カズ、ラブハン食うの?」



「おー。小腹が空いてきたし」



「俺も食う!」



今まで楓ちゃんに数学を教えていた瀬川くんが、ラブハンという単語に飛びついた。



そして結果的には、みんなも食べることにしたのだ。



「遥、あんた浅井くんといい感じだったけどまさか…」



「麻衣、あたしはそんなんじゃないから。一馬くんは友達っ」



「そ?やっぱり本命は、せが…」



「あー!!ダメダメダメダメっ。言わないでっ」



あたしの叫び声に目をパチパチさせるみんな。それに周りのお客さんも見てる。



「何かあったか、浅井?」



「な、なっ、何もないよっ。気にしないでっ」



瀬川くんに言葉を返しながら、軽く叫び声を上げさせた犯人の麻衣を睨んだ。



「お待たせしました。ラブハンでーす!」



そして、みんなの手元にはラブハンが並べられた。