「せっかく遥のために、瀬川くんの隣を開けてたのに」
麻衣の隣にいくと呟いた麻衣。あたしは仕方ないよ、と空笑いをした。
楓ちゃんと瀬川くんは部活の話で盛り上がっている。途中、たっちーも加わったりしていた。
「勉強するよ」
しかし、麻衣の一言でガラッと空気が変わり、みんな勉強ムードに入った。
楓ちゃんもたまたま課題を持っていたらしく、一緒に取り組んだ。
「遥はこの席で良かったな」
「…なんで?」
「学年首位の俺が目の前にいるんだぞ?ラッキーだろ?」
「全然ラッキーじゃないもん」
良いわけがない。隣の麻衣&たっちーのセットは良いとして、あたしの前には一馬くん。
そして、一馬くんの隣が瀬川くんで瀬川くんの隣が…楓ちゃん。
これじゃあ、瀬川くんと楓ちゃんばっかり気になっちゃうよ。

