オレンジ色の校舎






一馬くんがいたら、瀬川くんのことでからかわれるよ。余計な邪魔者が入り、再びため息をついた。



「お待たせ!」



しかし、あたしの心臓は一瞬にして飛び跳ねた。この声は…あの人しかいない。



「イキナリ誘って悪かったなぁ」



「いや、俺も課題たまってばっかりだったから、勉強会があって助かるよー」



たっちーと瀬川くんがケラケラ笑いながら話す。あたしは横目で瀬川くんを盗み見する。



「遥ちゃんいやらしーい」



「盗み見とか小心者だな」



と言った麻衣と一馬くんがニヤニヤとする。あたしは慌てて顔を正常に戻した。



「あれ?カズも?」



「偶然会って、急遽参加することになった。飯も食えるし」



「もしかしてラブハンか?あれ美味いよな、浅井!」



「へっ。あ…うんっ」



突然話をふられてあたふたした。びっくりしちゃったけど…嬉しかった。